2005年12月20日

第6回勉強会のまとめ

過日,生活の足を支える公共交通フォーラム・第6回目の会合が行われましたが,
簡単なレジュメを作りました.以下に概要を紹介します。

【日時】 12月13日(火)19:00~21:00
【場所】 那覇市ボランティアサロン
【講師】 高野大秋(社会福祉協議会)

テーマ 「福祉バス事業と運行実態について」

1.福祉バス運行事業について
 那覇市健康福祉部が社会福祉協議会に運行を委託している福祉バスについて,
 高野氏より紹介がありました.その概要を以下に示します.

・事業名…福祉バス運行事業
・運行目的…高齢者,障害者の積極的な社会参加を支援するために運行
・運行ルート…4コース(本庁・小禄・首里・真和志)で,各1日当たり4往復
・運行日…各ルートとも月~土曜まで隔日運行
・使用車両…2台
・利用できる人…市内の福祉施設を利用する人
・利用料金…無料
・利用者数…年間延べ3万2千人程度で推移

 上述の通り利用者は限られていますが,実際には既存路線バスの少ない真地団地などを中心に,
一般の利用客も少なからずいるそうです.那覇市による事業調査でも,今後若干の見直しは
必要だが必要性の高い事業であるとされています.なお,ルートや利用者層などについては,
社協関係者でも把握し切れていない部分もあるとのことでした.
 福祉バスでありながら,実質的にいわゆるコミュニティバスの役割をも担っているといえ,興味を
引かれます.今後,試乗や関係者へのヒアリングなど,もう少し深く理解してみたいと思います.
その際には,改めてこの会合の場で報告できればと思います.
 また,社協の今年度の受託業務は来年2月までで,その後の見通しが不透明なことなどもあり,
この会がNPOを設立して運行しては?といった,積極的な意見も聞かれました.

2.DVD上映
 身体障害を持つ男性が,電動車椅子に乗り,新都心からゆいレールを使って,国際通りまで
遊びにいく行程をまとめたものです.30分ほどのDVDでしたが,気づいた点を書きます.

・バリアフリー対応は難しいということ.ゆいレール駅のエレベーターは,車椅子利用者が座った
 まま押せるよう,操作ボタンが低い位置に設置されています.しかし,今回の人の場合,
 手が随意に動かせないため足でボタンを操作する必要がありますが,彼には操作ボタンの
 位置は高すぎるのです.

・ゆいレールに乗る際,わざわざ係員が出向いて操作すること.自分も本土で経験がありますが,
 車椅子を押して駅に行くと,必ず事務所に声をかけるようにいわれます.エレベーターもあるし,
 いいですと断っても,ホームで電車に乗るまでわざわざ付き合ってくれるのです.もう少し放任して
 くれてもいいと思うのですが.しかも,数年前まで某市の交通局では車椅子の介助をした職員には
 手当を出していたとのことで,このような現状を見る限りでは,公共交通における障害者の介護が
 正しい方向に向かっているとは思えないのですが…

・(電動車椅子利用者の場合)わずか数センチの出っ張り,段差をクリアするのに,非常な労力を
 必要とすること.何の気なしに展示ブロックの上に商品を積んでしまった,そのことが及ぼす
 影響がすごく大きい,ということがよく分かりました.

 なお,国際通りにある店舗のうち,バリアフリーに対応しているのは3分の1程度しかない上に,
対応している店でも実際にはスロープの角度がきつすぎるなど,不十分なところも多いそうです.
このようなことから,現在では障害者(車椅子利用者)にとって,新都心エリアの店のほうが買い物を
しやすい環境が整備されているということです.

3.仮称の会の今後の方向性について
・琉球新報社が,今後の会の活動に対し好意的なようです.系列の毎日新聞が堺市で行われた
 トラムの会議を主催したこと,また三木副社長ももともと公共交通の問題には興味を持っている
 ことなどから,仮称の会がシンポジウムを開く際には,主催してくれそうな気配です.

・沖縄総合事務局次長からは,沖縄県の公共交通の改善へ対する意気込みを感じることができた
 と、那覇市なは未来室の城間室長から報告がありました.

4.そのた
 国際通りの通り会長・比嘉司さんが途中から参加し,札幌で行われた会議の報告などをして
くださいました.どこの街も,トランジットモールの社会実験をするにあたって商業者の説得に
苦労しているとのことです.また,エコマイレージの紹介をしてくださいました.皆さんも登録しては
どうでしょうか.アドレスは http://www.ecomile.jp/ です.
 また,まちづくりネットの洲鎌さんからは,12月に開業したレンタサイクル事業に関しての報告が
ありました.早くもリピーターが現われるなど,まずまずの滑り出しのようです.

文責  谷田貝 哲


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この記事へのコメント
勉強会のまとめお疲れ様です。今回は福祉の切り口でいい内容でした。
この日に参加できなかったメンバーにとって喜こばしいことですね。
メンバーも2人増えたしがんばっていきましょう!
Posted by ogawa at 2005年12月21日 17:07
 
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